Origin
国歌にうたわれる、いのちの石
「さざれ石」とは、無数の小石が長い年月をかけて結びつき、ひとつの巌となった石。日本の国歌「君が代」は、この石が苔むすまで、すなわち限りなく遠い未来まで、平和と繁栄が続くことを願う歌です。
君が代は
千代に 八千代に
さざれ石の 巌となりて
苔のむすまで
日本国歌「君が代」
三重県伊勢市宇治館町、伊勢神宮内宮の広やかな神苑の中に、そのさざれ石はひっそりと横たわっています。かたわらには枝を大きく広げた老松が寄り添い、参道を行き交う人々を静かに見守ってきました。石灰質角礫岩と呼ばれるこの種の岩は、雨水に溶けた石灰分が小石同士を接着し、長い歳月をかけてひとつの巨岩へと成長していきます。まさに歌にうたわれる「さざれ石の巌となりて」の姿を、そのまま目にすることができる場所です。
神宮の杜に育つ松の根方に抱かれるように鎮まるこの石を前にすると、悠久の時の流れと、小さきものが寄り添い合って大きな力となる自然の営みを、静かに感じ取ることができます。